お客様インタビュー Vol.10
『従業員にも会社にも良い選択だった』福祉事業10期目で決断したM&A
(弊社アドバイザー(左)と大下様(右))
家業として福祉事業に携わる中で障害福祉事業を立ち上げ、未経験から経営に挑戦。人材確保や事業運営の課題に向き合いながら会社を成長させてきた大下様。M&Aを通じて実現した「選択と集中」と、従業員・会社・自身の未来につながる譲渡の決断についてお話を伺いました。
インタビュアー
ブティックス株式会社 草野
障害福祉サービスの居宅介護事業を始められたきっかけは何でしたか?
家業として長年福祉事業に携わってきたこともあり、福祉の仕事自体には以前からなじみがありました。その流れの中で障害福祉の会社を立ち上げることになり、私がやることになったことがスタートでした。
もともと家業の手伝いをすることもあったので、福祉業界がどのような業界なのかは知っていましたが、実際に自分が主体となって事業を運営するとなると話は別で、当時は全くの未経験でした。何をどう進めればいいのかも分からない状態でしたが、がむしゃらにやっていましたね。
私はそれまで福祉とは関係のない仕事に就いていたので、福祉の現場や事業のことは身近に感じていた一方で、自分自身のキャリアとしては新しい挑戦だったと思います。
経営時に抱えていた悩みや課題はありましたでしょうか?
事業は今年で10期目を迎えますが、その時々でさまざまな課題がありました。特に創業当初は、私自身が社長を務めるのも初めてでした。周りからは「すごく頑張っている」と言っていただくことが多かったのですが、自分としてはあまりそういう実感はありませんでした。困ったことといえば、従業員の方が思いもよらない行動を取ることもありましたし、対応に悩む場面もありました。ただ、それを苦労だと感じるというよりは、一つひとつが経験になっているという感覚でしたね。
福祉は人と関わる仕事ですので、利用者さんや従業員さんなど、人に関する悩みは常にありました。ただ、事業を経営する以上、人に関する課題が出てくるのは当然のことだと思っていたので、大きな壁だと感じていたわけではありませんでした。
採用の面などはいかがでしたか?
うちの事業所は、ありがたいことに採用で大きく苦労したことはありませんでした。口コミで応募してくださる方が多く、従業員からの紹介で人が増えていくこともよくありました。また、従業員を一から育てていくような形でやりくりしていました。働き方についてもかなり柔軟にしていて、従業員からは「働きやすい」と言ってもらえることが多かったですね。
人を育てるというのは、大下様らしいなと思いました。
「育てる」ということを特別に意識していたわけではありません。ただ、みんなに楽しく働いてほしいという思いはずっと持っていました。
一方で、障害福祉に特化した訪問サービスは人材確保が難しい側面もあります。口コミや紹介を中心に採用を続けてきましたが、人が集まりにくい時期もあり、人数がぎりぎりの状態で運営していたこともありました。そうした状況の中で、「大手グループの一員になれれば、もっと安定した運営ができるのではないか」と考えることもありましたね。
それまでは人手が足りなくなれば自分が現場に入ることで何とか対応できていましたが、事業の規模が大きくなるにつれて経営に割く時間も増え、以前のように現場へ出る時間を確保することが難しくなってきました。そのあたりは悩ましい部分でしたね。
たしかに、現場にも立ちながら経営を担うとなると、経営だけに集中するのはなかなか難しいですよね。事業が大きくなるほど、現場と経営の両立に悩まれる経営者の方も多い印象があります。
今回のM&Aはいつごろからお考えでしたか?
M&Aは実は考えてなかったんですよ。ただ、財務状況が悪化していたこともあり、今後の経営について考える機会は増えていましたね。一方で、M&Aには「かなりお金がかかるもの」というイメージがあったので、自分にはあまり関係のない話だと思っていました。
きっかけは広告で「あなたの事業はいくら?」といった内容の広告を見かけて、純粋に「うちの会社はいくらくらいの価値があるんだろう」と興味を持ったんです。それで試しに利用してみたところ、営業の方から「売却をご検討中ですか?」という電話がかかってきて、売るつもりはなかったので、正直驚きましたね。(笑)
実はそういった案内は以前からいろいろ届いていました。各社からさまざまな提案がありますし、しっかりした封筒で送られてくる手紙などもありましたね。特に積極的に検討していたわけではありませんが、一応目は通していました。
その時点では売却を考えてはいませんでしたが、担当の方と話を重ねる中で、少しずつM&Aという選択肢を現実的に考えるようになりました。ブティックスさんの会社概要なども確認しましたし、上場企業であることも分かっていたので、「信頼できる会社なのかな」という印象は持ちましたね。
当センターに任せていただいた理由を教えていただけますか。
一番の理由は、担当してくださった草野さんですね。最初にご連絡をいただいてお話しする中で、「この方なら信頼できるな」という印象を持ちました。実際にやり取りを重ねる中でも、仕事をきちんと進めてくださる方だと感じましたし、人としても馬が合うなと思ったんです。M&Aは会社にとって大きな決断ですから、草野さんなら安心してお任せできると感じ、「それなら進めてみようかな」と思うようになりましたね。
(インタビュー中の様子)
今回の買手様とのM&Aはいかがでしたか?
草野さんにご紹介いただいた会社が、実は以前から知っている会社だったんです。現場レベルで一緒に仕事をさせていただいたこともあり、とても良い印象を持っていました。そのため、「この会社であれば安心してお任せできるな」という気持ちがありましたし、面談の場でもとてもスムーズに話を進めることができましたね。経営層の方々とは、その面談が初めての直接のやり取りでしたが、皆さん非常にしっかりされていて、安心感がありました。
安心して任せられる感覚があったとのこと、買手様をご紹介できて良かったです。従業員の皆様にM&Aの話をされた時の反応はどうでしたか?
当時の管理者は、人員がぎりぎりの状態で運営していることについて、私と同じくらい心配してくれていました。そのため、今回の譲渡によって大きな組織のもとで運営できるようになり、人手不足に対する不安が解消されるのであれば良いことではないかと、前向きに受け止めてくれましたね。もともと会社に愛着を持って働いてくれていた方たちでしたが、「より大きな組織で働くことは勉強にもなるし、良い経験になるのではないか」と考えてくれていました。
また、従業員も買手様と直接お話しする機会がありました。実際に接する中で、しっかりとした会社だという印象を持ってくれたのではないかと思います。もちろん、最初は不安を感じていた従業員もいました。ただ、買手様は同じエリアで事業を展開されている会社ですし、譲渡後も私との関わりがまったくなくなるわけではありません。その点も安心材料になり、最終的には受け入れてくれたのではないかと思います。
実際に事業譲渡されてみていかがですか?
今回のM&Aは、従業員にとっても、会社にとっても、そして私自身にとっても、本当に良い選択だったと思っています。
そう言っていただけて良かったです。譲渡後も選択と集中という形で事業は続けられていると思いますが、譲渡後はどのように過ごされていますか?
まさに「選択と集中」ができるようになったと感じていますね。
譲渡後は、残した作業所の事業や農業により注力できるようになりました。以前は人員や運営のことに多くの時間を割いていましたが、今は自社として注力が必要な事業に集中できていると思います。
選択と集中を実現できているとのことですね。弊社アドバイザー(草野)の対応はいかがでしたか?
もう100点ですね(笑)。本当に良い印象しかありません。
最初に草野さんが話を聞きに来てくださった時、とにかくたくさん質問をされました。このインタビューとは比べものにならないくらい細かく聞いてくださって、「ここまで聞くんだ」と驚いたのを覚えています。また、何度も足を運んでくださって、本当に私たちのエリアに住んでいるんじゃないかと思うくらいでした(笑)。ほぼ毎日のように顔を合わせていた時期もありましたし、私の農作業が終わった後にお会いすることもありました。
そうやって何度もコミュニケーションを重ねる中で、草野さんは本当にきちんと仕事をされる方だという信頼感が強くなっていきました。最後まで丁寧に対応していただきましたし、安心してお任せすることができましたね。
大下様のところと買手様のところを行き来して、本当にずっとその間にいるような状態でしたね。あの1カ月は濃い時間だったと思います。最後にM&Aに悩まれている事業者の皆様にメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?
私のようにM&A仲介を利用したことで、救われる人が他にもいるのではないでしょうか。ただ一方で、慎重さはとても大切だと思います。最初から最後まで順調に進むとは限りませんから。今回は結果的にとても良いご縁に恵まれ、スムーズに進めることができましたが、それは本当に運も良かったと思っています。
正直、以前は事業譲渡というと、皆さんもっと簡単に進めているものだと思っていました。しかし、実際に当事者として経験してみると、とても自分一人でできるものではないと感じましたね。だからこそ、仲介会社の存在は非常に重要だと思います。もしM&Aを検討している方がいるのであれば、まずはご自身でしっかり調べてみること。そして活用できる専門家や仲介会社がいるのであれば、そうした力も上手に活用しながら進めていくのが良いのではないかと思います。
M&Aはお相手がいて初めて成立するものですので、「売る・売らない」という判断だけでなく、「どのような条件であれば譲渡したいのか」、あるいは実際の交渉内容が妥当なのかといった点も含めて、検討すべきことがたくさんあります。そういった部分でも、ぜひ私たちのような仲介会社を頼っていただければと思います。
実際、大下様も進めていく中で、「このまま進めるべきか、それともやめるべきか」と迷われることはありましたか?
それはなかったですね。草野さんが金額を出してくださって、その金額でお相手を見つけてきてくれたので、「それで進められるのであれば進めよう」と決心することができました。草野さんが常に中立的な立場で対応してくださり、双方にとって良い形になるように調整しながら進めてくださったおかげで、しっかりと話をまとめることができたと感じています。
今回のM&Aは、ただ「売って終わり」「買って終わり」というものではありませんでした。譲渡後も良好な関係を築くことができていますし、お互いにとって良い形で事業をつなぐことができたと思っています。
もし今後機会があるなら、今度は買手としてM&Aを検討してみたいと思っています。その時も、ぜひまた草野さんにお世話になりたいです。
本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
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