お客様インタビュー Vol.06
障害福祉サービスの報酬改定から譲渡を検討 安心感のある買い手との出会いでM&Aが実現
(利用者の皆様:作業中)
就労継続支援A型を運営されていたT.K様。令和6年の報酬改定を大きなきっかけにM&Aについて考えられました。自身でも買い手を探すなど活動をされていた中で、当センターにてM&Aを実現されました。
M&Aをするにあたり考えられていたことや、買い手を選んだ理由など、T.K様の想いをお伺いしました。
インタビュアー
ブティックス株式会社 田中
就労継続支援A型を始められたきっかけを教えていただけますか?
きっかけは3つあります。1つ目は、岡山県に住んでいた弟の義理の親が就労支援事業をやっていたことです。私は、弟の義理の親が、事業をやっていることを知らなかったのですが、ある時私の勤めていた会社に「仕事をもらえないか」ということで来られて、どんな作業をするのか見に行かせてもらいました。事業の内容は想定していたようなものだったのですが、大阪から岡山に材料を運ぶと運賃のほうが高くついてしまうと思い、その時はお断りしました。しかし、この仕事なら自分でもできるのではないかと思いました。
2つ目は、当時たまたま就労支援事業をうまく立て直す内容を描いた小説を読んでいたことです。
3つ目は私自身も障害があるということです。障害者手帳を持つことを勧められたこともありました。
そのような事情から自分でも障がいのある方の力になれればという思いと、利益が出せればという思いが重なってスタートしました。
スタートしてからちょうど10年、今年で11年目になりますね。
10年も事業をされていたのですね。事業をやられていた際に抱えていた悩みや課題はありましたか?
一番弱いと感じていたのは営業力ですね。もっと営業力があれば、多くのお客さんにアタックして、より良い仕事を得られると思っていました。毎年1~2件は新規開拓をできていたのですが、長きにわたってお取引している会社でも、どうしても自然と仕事が減っていくので、新規先を増やしても、既存先が減って…。常に新しい先を探し続けることが難しいと感じていました。
また、当初は時間当たり1,000円/時間くらいの仕事をいただければ良いと思っていたのですが、現実は1時間でできる作業に限りがあり、できる方とできない方の差が大きいことで、事業として計画を立てることに難しさを感じていました。
(利用者の皆様と管理者様)
そのような中でM&Aというご決断をされたと思うのですが、M&Aを考え始めたきっかけは何かありましたか?
きっかけは明確に、令和6年の4月1日なんです。国からの障害福祉サービス報酬が極端に減ったことがきっかけです。このままでいくと令和6年度の決算はマイナス1,000万円くらいになるだろうと試算しました。ですので、私自身の給料をカットして、そのマイナスを何とか小さくできるように備えました。
また、同時に令和6年4月初めに、私自身で、会社を買ってくれる先を探し始め、保険会社・銀行・広告代理店などあらゆるところに声をかけました。1社、よいお返事をもらえた先があって、そのお相手と進めようとしていたんです。ただ、M&A仲介等専門家が入っていない状況だったので話がなかなか進まず、ずるずると1年くらい経ってしまった頃に、「この話を保留にさせてほしい」と言われてしまったため、私からお断りしました。
そこからまたすぐ、私自身での声かけを再開しました。近隣のB型施設・弁護士事務所の先生・ブティックスさんを始めM&A仲介会社にも声をかけました。
ご自身で動かれていたというのは驚きました。当センター以外のM&A仲介にも話を聞いたりされましたか?
大手M&A仲介など、数社の話を聞きました。手数料が合わなければ無理だとおもっていたので、率直に手数料について聞きましたね。
そんな中でブティックスさんは最低手数料が100万円で、あとは譲渡対価に応じて設定される形だったので、詳しくお話を聞いてみることにしたんです。
手数料の部分で魅力を感じていただけたのですね。良かったです。
実際に買い手と面談をされていかがでしたか?
初めに今回の買い手と面談をさせていただいて、他にあと2社面談を予定していたのですが、初めの1社に決めました。実は30分ほどの面談だったのですが、買い手の初対面の印象がすごく良かったです。ざっくばらんにお話をされる方で、安心感がありました。30分ほどの面談の中で人を見るのは難しいと思うのですが、その安心感が大きな魅力のひとつでした。また、買い手自身が経営コンサルをしておられましたし、私が苦手と感じている部分を得意とされている方だったので、任せられそうだと思いました。
譲渡対価を始めとして各種条件も、納得のいく良い条件を出していただけたので、「今回の買い手で進めていきたい」ということでお返事をさせていただきました。
買い手のお人柄に惹かれてということだったのですね。譲渡後はどのように過ごされていますか?
実は譲渡後も役員として継続勤務しています。社内では以前と変わらず過ごしていて、一番変わったのはコミュニケーションですね。チャットツールで買い手企業の社員の方たちと頻繁にやり取りをするようになりました。買い手企業の方は、経営コンサルをやっていることもあり、ノウハウに長けており、事業運営に有益な情報交換や、書類作成の指導をいただくなどしています。何事にもスピード感があって、日々、仕事の進歩を感じています。もうすぐ新しい社員の方が入られると聞いているので、それも楽しみにしています。
(利用者の皆様と管理者様)
それは楽しみですね!最後に、今M&Aに悩まれている経営者の方へメッセージをいただけますでしょうか。
M&Aをするか悩まれている方は私の周りにも結構います。その方々に共通している意見として、M&A仲介の会社は怖いところがあることを心配していますね。ただ、私がお願いした、ブティックスさんについては親身になって話を聞いてくれるので大丈夫だと、周りには伝えています。まずは話を聞いてみることをおすすめします。
経営者の皆様の不安が少しでも解消されるように、精進させていただきます。本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございました。
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