お客様インタビュー Vol.08
遠方拠点の課題を乗り越えて──M&Aで進めた事業エリア再編と集中戦略
(株式会社ウェルリソース 代表取締役 安富様)
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所を複数運営されていた安富様。コロナ禍での事業環境の変化や遠方拠点の管理負担を背景に、事業再編の一環として、福島県の放課後等デイサービス・児童発達支援事業を譲渡されました。譲渡後は負担が軽減し、新たな事業展開にもつながったという安富様に、M&Aについてお伺いしました。
インタビュアー
ブティックス株式会社 田中
放課後等デイサービス・児童発達支援の事業を始められたきっかけを教えていただけますでしょうか。
私は2011年8月に事業を立ち上げ、2012年3月に家内と「地域に貢献できる事業をしたい」という話になり、都内で地域密着型のデイサービスを始めました。高齢者人口の増加や地域ニーズの高さ、そして介護離職を減らしたいという思いから、都内で6〜7カ所展開し、順調に成長していました。
しかし2019年のコロナ禍で、高齢者事業だけでは事業基盤として弱いと感じ、柱を増やす必要性を強く意識しました。そこで2019年10月、ブティックスさんを通じてM&Aを行い、放課後等デイサービス・児童発達支援事業所の1か所目をスタートしました。高齢者事業と子ども関連事業の両方の経験をもつ取締役がいたこともあり、千葉県での開所が第一歩となりました。
その後2020年にはコロナが大流行し、私自身もコロナに罹患、重症化して生死をさまようほどの状態になりました。高齢者事業所ではクラスターが発生し、順調だった事業も利用者が減少。これを機に、他の事業にも力を入れなければならないと強く感じました。現在は高齢者事業所2か所、放課後等デイサービス10か所の計12か所を運営しています。
もともとは介護事業を中心にやられていたのですね。
そうですね。介護事業から少しずつ広げていきました。現在介護事業所は2か所を残してM&Aで売却し、放課後等デイサービスや障がい者グループホームを都内・関東圏でさらに拡大したいと考えています。M&Aを活用しながら、他事業への展開も視野に入れています。
M&Aについては買収側としても経験があったのですね。今回売却された事業所は都内から離れていますが、福島県で開所された理由は何だったのでしょうか。
理由は2つあります。1つ目は、地域によって行政の基準やハードルが大きく異なる点です。当社は23区内にありますが、建物の基準などが非常に厳しく、資金を投じて進めるのは経営的に得策ではないと判断しました。
2つ目は、もともと仙台にも複数の事業所を構えており、今回の事業所の場所がちょうど通り道でしたのと、東北地方第2の都市でもあったため、福島県での開所を決めました。
(安富様と愛犬)
売却された福島県の事業所を運営されていく中で、課題や悩みはありましたか?
私は現在68歳ですが、大きな課題は本社と福島県の距離でした。これまで管理を担ってくれていた取締役が昨年12月末で退職し、福島の事業所をフットワーク良く見てくれる人材がいなくなったことが大きかったです。エリアマネージャーを置くほどの規模でもないと考えており、本社側の事業所から2〜3名の職員が交代で管理に行く形で運営していました。
取締役の退職を機に、事業の再編を考えるようになりました。ガバナンスの観点からも、遠方に事業所を構えるより、都内・関東エリアに集中させる方が良いと判断しました。
M&Aを考え始めたのはその頃からですか?
それもありますが、遠方まで管理に行ってくれている社員の負担を見て、一昨年頃から再編の必要性を感じていました。利益や稼働率は良かったのですが、今後の運営を考えると関東エリアに集中したいという思いが強くなりました。
今回はその再編のひとつとして、事業の一部切り離しということですね。
今回の買手様を選ばれたポイントは何でしたか?
大きなポイントは「相性」です。当社は大企業ではないため、譲り渡した・譲り受けたで終わる関係ではなく、一緒に事業の方向性を探っていけたり、相談出来たりするお相手が良いと思っていました。複数社と面談しましたが、今回の買い手様は同じようなお考えを持っており、従業員も安心して働き続けられると感じたことが決め手でした。
従業員の方々のことも考えて選ばれたのですね。
M&Aを進める中で不安はありましたか?
ほとんどありませんでした。というのも、ブティックスさんが必要な情報を適切に用意してくださり、さまざまなアドバイスもいただけたので、M&Aを進めていくプロセスで不安なことは特になかったです。
ありがとうございます。実際に譲渡されてみていかがでしょうか?
今まで運営していた事業所をお任せできたことで、一つ肩の荷が降りたような感覚があります。 マネジメント体制がしっかりしており、安心して任せられる買い手様に出会えたことが大きいですし、従業員にとっても良かったなと思っています。
また、当社でも譲渡資金をもとに別事業を展開することができているので、とても良い結果となりました。
既に別事業の展開を進められているのですね。
当社アドバイザー(原田)の対応はいかがでしたか?
とても良かったです!非常にフレンドリーで、さまざまなアドバイスをいただけました。原田さんには、きめ細かく状況を共有していただき、こちらの要望と先方の想いをうまく橋渡ししていただきました。素晴らしいコーディネートだったと思います。
ありがたいお言葉をいただき、ありがとうございます。今後の事業展開やM&Aに悩まれている障害福祉事業の経営者の皆様に一言お願いいたします。
今後の事業展開をいろいろ考えることと同じくらい「動き出すこと」が大事だと思います。また、M&Aは買い手ありきで進んでいくものですので、お相手との出会いが多いほうが選択肢も広がり、戦略にも活かせます。今後の進め方に悩まれている経営者はまず、動き出して、買う・売るということだけではなくマーケットの状況を知るところから始めると良いと思います。
頭では考えられていても実際に行動に移すのは難しい部分がありますよね。
そうですね。ブティックスさんには、買収側としても売却側としてもお世話になっていますが、対応がスピーディで、成約までも非常にスムーズですので助かっています。それはやはり、アドバイザーの皆さんが非常に優秀で、状況の把握や調整も素早く的確だからだと思います。難しいM&Aでもしっかり寄り添ってサポートしてくださるので、安心してお任せできると感じています。
