お客様インタビュー Vol.09
想いを託し、未来へ踏み出す~新たな挑戦のために選んだ事業承継~
(家住様(左)と平林様(右))
放課後等デイサービス事業を運営されていた平林様。コロナ禍をきっかけに事業の将来を見つめ直し、自身が取り組むおむつ事業やパリでのファッションショーなど、新たな挑戦へ力を注ぐため事業承継を決断されました。譲渡先に託した想いやM&Aを振り返って感じたことについて、お話を伺いました。
インタビュアー
ブティックス株式会社 菱沼
放課後等デイサービスの事業を始められたきっかけは何でしたか?
もともと私の身近に障害のある方がいて、その方との関わりが大きなきっかけになり、放課後等デイサービスの事業をスタートしました。
そうなんですね。放課後等デイサービスを運営されていた際の悩みや課題はありましたか?
立ち上げ当初の一番の課題は、やはり資金繰りでした。起業にあたり融資を受けて事業をスタートしていたので、できるだけ早く黒字化しなければならないというプレッシャーが常にありました
そして、その後に訪れたコロナ禍は本当に大きな試練でした。もちろん、どの業界も大きな影響を受けていたと思いますし、飲食業界などと比較すると状況は異なる部分もあったかもしれません。しかし福祉業界も決して無関係ではなく、私たちもかなりのダメージを受けました。
実際に、コロナ禍では追加融資を受けながら事業を継続していました。その経験を通じて、「もし将来また同じような状況が起きたらどうするか」ということを真剣に考えるようになりました。そして、自社だけで抱え込むのではなく、より大きな組織や基盤のある企業と一緒になるという選択肢を意識し始めたんです。
一方で、私は放課後等デイサービス以外の事業にも取り組んでいました。2022年にはパリでファッションショーを開催したのですが、その際に車いすユーザーの方々からさまざまなお話を聞く機会がありました。服に関する悩みももちろんあったのですが、それ以上に多く聞かれたのが、おむつのデザインに関する悩みでした。
そこからおむつ事業に本格的に注力するようになり、事業規模も徐々に大きくなっていきました。さらに2025年の大阪・関西万博に関わるプロジェクトも忙しくなってきたため、自分の時間やリソースを考えると、放課後等デイサービス事業については譲渡を検討する必要があると感じるようになりました。
事業承継については、コロナ禍をきっかけに本格的に考え始められたのですね。
そうですね。本格的に考え始めたのは、まさにコロナ禍がきっかけでした。
その時から、M&Aについて調べていましたが、当時は「身近で信頼できる人に引き継ぎたい」という思いが強かったので、実際に問い合わせをするところまではしていませんでした。
私の中では「譲渡できればどこでもいい」という考えは全くなく、会社の形や想いをしっかり守ってくれる相手であることが何より大切でした。そのため、時間がかかっても良いので、しっかり引き継いでくれる相手を探したいと考えていました。
そうなんですね。弊社との最初の接点は、私からのお電話でしたよね。
そうでしたね。将来的な選択肢の一つとして事業譲渡も考え始めていたタイミングで菱沼さんからお電話をいただき、当時の状況や考えていることをお話ししました。
その頃は万博関連の仕事もどんどん忙しくなっていて、自分の時間の使い方を見直さなければならない時期でもありましたので、タイミングとしてはとても良かったと思います。
(事業所内の様子)
良いタイミングでご連絡できて良かったです。今回の買い手企業様とのM&Aはいかがでしたか?
最初にお会いした時から、「この方たちとは合いそうだな」という印象を持ちました。
もちろん事業譲渡についての話もしましたが、それだけではなく、お互いの趣味や今後取り組みたい事業の話でも盛り上がったことをよく覚えています。
実はその時に話題になった靴に関する新しいビジネスについても、現在着々と進んでいるんです。事業面だけでなく、人として信頼関係を築けたことは非常に大きかったと思います。
新しいビジネスにもつながる出会いだったのですね。実際にM&Aを経験されて、ご負担はいかがでしたか?
正直なところ、「間に専門家が入ってくれて本当に良かった」と感じています。
M&Aには想像以上に多くの資料や手続きが必要になりますし、どのタイミングで何を準備しなければならないのか、自分だけで把握するのは非常に難しいと思います。
また、必要書類の準備だけでなく、いつまでに何を確認するべきか、どのように進めていくべきかなど、判断しなければならないことも多くあります。
私自身、一人で進めるのは難しかったと思いますし、何かあれば相談できる環境があったことは心強かったですね。
譲渡後はどのように過ごされていますか?
現在は、今年パリで開催予定のオストメイト向けファッションショーの準備を進めています。また、新たな事業としてスピーチスクールの運営もスタートしており、そちらにも力を入れています。
事業譲渡によって自分が注力したい事業へ集中できるようになりました。そういう意味でも、とても良いタイミングで譲渡できたと感じています。
それは良かったです。自分で聞くのは恐縮ですが、アドバイザーの対応はいかがでしたか?
とても良かったですよ。まめに動いてくださいましたし、対応のスピード感も良かったです。安心して進めることができました。
終盤はスケジュールがタイトな場面や、資料確認が大変な場面もあったと思うのですが、ご協力いただきありがとうございました。DD(デューデリジェンス)も大変だったと思いますが、平林様のご協力のおかげで無事進めることができました。
(事業所の外観)
最後に事業の今後やM&Aに悩まれている障害福祉事業の経営者の皆様へメッセージをお願いいたします。
一言で言うと、「M&Aを自分一人でやろうとしない方が良い」ということですね。
M&Aは想像以上に大変ですし、どの資料が必要なのか、いつまでに何を用意しなければいけないのかも分からない中で進めていくことになります。そのような状況で、日々の事業運営を続けながら一人でM&Aを進めるのは難しいと思いました。
だからこそ、専門家や仲介会社など、信頼できるパートナーの力を借りることが大切だと思います。相談しながら進められる環境があるだけでも、負担は大きく変わるのではないでしょうか。
おっしゃる通りだと思います。私たちのような仲介をうまく活用していただければと思います。
平林様、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
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