売却か継続か?障害福祉サービス事業者がM&Aを考えるポイントとは
障害福祉M&A支援センタ―では、年間1,400件以上の障害福祉業界のM&A・事業承継・売却のご相談をいただいていており、業界としてM&Aが身近になっていると感じます。
今回のコラムでは、障害福祉事業の売却に悩まれている経営者へ「売却するか、継続するか」を考えるポイントを解説させていただきます。
障害福祉事業者が事業の売却を考える背景
売却を考えられる経営者にはそれぞれ背景がありますが、障害福祉M&Aセンターに寄せられたご相談から、直近1年間における売却相談が多い業態と、売却検討理由として多いものをご紹介します。
【売却相談が多い業態】
1位:放課後等デイサービス
2位:就労継続支援事業
3位:障害グループホーム
4位:児童発達支援事業
5位:就労移行支援事業

※当センターに寄せられた売却相談の業態 内訳(2024年度 当社調べ)
【売却検討理由】
1位:選択と集中
2位:人手不足・後継者不在
3位:経営難・経営疲れ
4位:グループイン
5位:リタイア

※当センターに寄せられた売却相談の売却検討理由 内訳(2024年度 当社調べ)
会社ごとに細かい背景は異なりますが、売却理由として、「事業の選択と集中」・「後継者不在」が目立ちました。
「事業の選択と集中」の中でも、障害事業を切り離して本業に専念する方や、障害事業を切り離して新たな事業に挑戦するためにM&Aを検討される方が多い印象です。
また、グループインにより安定した経営を続けていきたい方からのご相談も増えてきています。
M&Aに注目が集まる理由とトレンド
当センターに寄せられた売却相談の傾向からも分かるように、障害福祉業界では、「事業の選択と集中」のため、障害福祉事業の切り離しを検討される方からのご相談が多いです。単に売却するだけではなく、グループインにより安定した経営を続けていきたい方からのご相談も増えてきています。
また、大手企業による市場シェアの拡大や事業構造の最適化を目的とする動きも、M&Aが活発化している要因の一つです。特に、障害者支援施設の中では就労継続支援や障害グループホームを対象とした譲渡案件が増加しており、これにより、地域特性に応じたサービス展開を行う企業が増えています。
障害福祉サービスの市場規模は増加傾向にあり、15年間で3倍以上に増加しています。
内閣府のホームページ上のデータでは、障害福祉分野の事業者の経営状況として、主なサービス種別ごとの収支差率及び収支差率がマイナスの事業所数が年々増加していることを発表しています。データは現時点で令和4年度までが最新ですが、市場としては伸びているように見える障害福祉サービス業界でM&Aの需要が高まっている一因となっていることが推測されます。

継続しても良い状況とは?
売却相談の傾向についてお伝えしてきましたが、売却するか・継続するか悩んでいる経営者様も多いのではないでしょうか。売却と継続どちらが良いのでしょうか。売却ではなく継続したほうが良いと判断できるポイントをご紹介します。
【継続しても良い状況】
・人手不足ではない
・地域で長年運営しており、信頼性が高い
・黒字である
・経営に悩みがない
上記に当てはまる場合は、売却を急ぐ必要はないと思います。
ただ少しでも経営について悩んでいる状態、M&Aするか継続するかで迷っている状態なら、一度M&Aの専門家に話を聞くことをおすすめします。
M&Aは買い手とのマッチングが重要になるため、売りたい時に買ってくれる買い手が見つからないこともありますし、今売るのと来年にするのでは売却価格が大きく下がってしまうこともあります。一度話を聞いて、売却に備えておくと、売却のタイミングを逃さず決断ができるでしょう。
売却をするならタイミングやポイントは?
障害者支援施設の売却を成功させるためには、タイミングを見極めることが非常に重要です。市場の動向や福祉サービス業界のトレンドをしっかりと把握することが欠かせません。
また、赤字ではなく黒字の状態のほうが、M&Aの対価は高くなります。赤字でも施設の運営状況や地域のニーズに応じて売却できることも多くありますが、黒字の状態であれば買い手が多く見つけられ、より納得のM&Aができる可能性が高まります。一方で、既に赤字の状態であれば、赤字額が増える前にM&Aを検討することで、売却価格を最大化できる可能性が高まります。
売却タイミングを測る際には、利用者数の増減や支援サービスの需要動向を把握することも必要です。特に精神障害者向け施設や就労継続支援施設など、需要が増加している業態は売却時の評価額にも良い影響を与えるケースが多いと言えます。
実際に今どのくらいの価格で売却できるのか気になる場合は、無料の簡易査定を行うことができるので、そのサービスを利用して、自社の価値を確認することをおすすめいたします。
また売却には、準備段階から契約締結、引き渡しまでいくつかのステップがあり、それぞれ専門的な知識が必要とされます。そのため、M&Aの専門家やアドバイザーのサポートを受けることは非常に大切です。特に障害福祉業界では、就労継続支援や放課後等デイサービスなど、多様な業態別の特性に精通しているかどうかが、専門家を選ぶ際の重要なポイントになります。
【ポイント】
1:売却時期は仲介会社と相談可能
2:査定をしてどのくらいの売却価格になりそうか把握
3:業界特化のアドバイザーが在籍している仲介を選ぶ
まとめ
M&Aの相談が増えている、障害福祉業界の業態や売却理由をまとめてお伝えしました。事業の選択と集中のためや、グループインにより安定した経営を続けていきたいなど、売却に至る背景は様々です。売却か継続かで悩まれている経営者の方へこのコラムがM&Aを考えるきっかけになりましたら幸いです。
その際はぜひ障害福祉M&A支援センタ―へご相談ください。
ブティックス(株)へ入社後、介護用品通販ショップの運営責任者、有料老人ホームの入居者紹介事業の責任者を歴任。その後、CareTEXの立ち上げメンバーとして、様々な介護福祉業界ニーズのマッチングに着手。
2015年にはM&A事業を立ち上げ、介護福祉業界における広い人脈を背景に10年間で120件の成約実績を持つ。
